2015年8月6日

2015年8月6日 晴れ

始4:59ー終6:41


今朝は割とスムーズに県道まで出てきた
歩道沿いに植樹されたモミジバフウからの
葉や実はほとんど落ちなくなった
なので県道も掃除はあっさり片付いてしまう

横断歩道前の点字ブロックの真ん中に
大きめの黒っぽいゴミが目に付いた
近づいてサッと掃き取ろうとして、
見ればひっくり返ったアブラゼミだった

紅茶色の小さな蟻の群れに集られていた
セミは胸から下と左の羽根がなかった
蟻も必死だろうから掃き取るのは
止めようとほうきの先を引きたとき
セミがいちばん上の腕を動かし始めた

顔の上に載って好き放題に噛みついてくる
蟻を弾き出そうと腕で輪を描き、もがいた
最初はいちばん上の右の腕だけだったが
すぐ左の腕も動かし、真ん中の2本も
いちばん下の2本の腕ももがき出した

セミを取り囲んだ蟻たちの上流に目を
やれば、交差点にそびえる自販機横の
葉肉の厚い雑草の下につながっていた
あそこに運ぶのだ
細長い蟻の川が続々セミへ向かっていた

セミに目を戻せば
すべての腕はプツンと動きを止めた
セミは死骸になり蟻の生きる糧となった
あっけらかんと終わった

人間もずっと昔は死んだら他の生き物の
糧になっていたんだろうと思う
死ぬことが生きることにつながる、
あたりまえの循環の中に加わっていたはずだ
埋葬しはじめ、循環の中から切り離して
人間は自然から他の命はいただいて
お返しは一斉しない、いけすかない
何かになってしまった気がする