2013年7月10日

2013年7月10日 晴れ

始4:59−終6:28

きょうは特に何もなくいつも通りのよくある一日と思ったのですが…。
いやー、ホントに思いがけないことって起こるんですね。しかも思い
もしないことが。面白いなー、掃除は。

きょうは缶・ビンのゴミの日。家から出たもの&外で拾ったもので袋
いっぱいになったためゴミ置き場に出す。サッササッサと掃いて行く。
きのうのように死骸もなく、缶やペットボトルを拾うこともなく、大
きなゴミや何か変わったコトに出会うこともなく淡々と進んで行く。

まあ、こういう日こそ小さなことも見落とさず、横着の芽を摘み、あた
りまえを積み重ねる日なんだなあと思っていました。まあ、そんな感
じで神社前のサクラ並木の歩道を掃いていた時に、すいませんと声を
かけられました。たまにある土地に不案内の人が「駅はどっちですか?」
のパターンかと思ったんですけど、違いました。

まだ若い男性、うーん、28から30歳あたりでしょうか。すごく物腰は
柔らかかったです。髪はやたら黒くてくせ毛で肩近くまであり、顎ヒゲ
も生やしてました。白の汚れたTシャツに綿パン?で右手でカートを
引き、カートの上に大きな袋を二つ載せ、こうもり傘を一本カートの
取っ手に引っ掛けていました。まあ背負ってはいないけど身の回り品
一式を持って移動するバックパッカーの風体でした。

小さな目がこっちを見ながらいきなりキリストの話を始めちゃったわ
けですよ。「あ、いいですから」とすぐ話を切ろうとしたんですが、
話しを続けられると、まあもう少しだけ相手をしようかと思いました。
話の内容に興味が湧いたわけじゃないですよ。それは全然。世の中
の悪がどうたら、キリストが一身に背負ってどうたら、そんなどこか
で聞いたことのありそうな話だったので、内容じゃないんです。

どこか彼に人柄の良さを感じたからかもしれません。会社員時代の
後輩に雰囲気もちょっと似ていましたし。彼はワンセンテンス話し
終えるとこっちに話を振るとかの間をつくることなく、立て板に水
状態で話し続けました。ただし、信号待ちの車が一斉にアクセルを
踏んでエンジンをふかすと声はかき消され、さらにホテルの地下駐
車場から立て続けに3匹の犬が旧国道を横切ったので、その度に
二人ともチラ見してしまい、話も中折れになってしまいました。

「掃除しますんで」
ワシが終わりのサインを出すと彼はあっさり話を止めて、そのまま
東に歩き出しました。Tシャツの首から日焼けの跡がよく見え、な
により体の幅の薄さが気になりました。ぺったんこと言っていいほ
ど、うすーい体でした。左手は暑いコートを二つ折りにして抱えて
いました。冬もずっと歩き続けているんでしょうか?
「お気をつけて」
ワシは彼の後姿に声を掛けました。わずかに何か返事がありました。

掃除は思いがけず面白いことがいっぱいあり、それは掃除に限らず、
日常の生活や仕事や趣味の場でも同じだと思いました。